新型コロナウイルスの感染対策のため、この2カ月、天文イベントや各地プラネタリウムも中止、休館となっていました。
ようやく緊急事態宣言が解除され、再び星の魅力に触れる機会が増えそうです。
とはいえ、すでに梅雨が始まっているところもあり、天体観測には厳しいシーズン。
そこで、雲の切れ間からでも見てみたい天文現象にフォーカスして、星のソムリエ®が選ぶ、今月の星の見どころベスト3【2020年6月】をご紹介します。
Best3.11日(木):パンスターズ彗星が「ひしゃく」の中に入る
今年は「C/2017 T2パンスターズ彗星」が双眼鏡で見られるレベルまで明るくなるのでは、と天文好きの間で話題になっていました。
見頃は、彗星が空の高いところに位置する春先から初夏まで。でも、ぱっと指し示せる場所ではないため、これまで取り上げてきませんでした。
しかし、今月はとうとう皆ご存じかつ都会でも見える北斗七星の近く、しかも11日1時には「ひしゃくで彗星をすくう」かのような、わかりやすい位置にやってきます。
11日の明るさは5.8等級とされ、双眼鏡でも見るのは厳しいかもしれませんが、カメラで露出を調整しながら撮影してみると、姿をとらえられるかもしれませんよ。
こちらは、実際の北斗七星の写真にパンスターズ彗星がどのように移動していくかを描いてみたものです。
北斗七星が高く昇る、午前1時頃の位置になっていますので、参考にしてみてください。
なお、パンスターズ彗星は、7月1日くらいには6.4等級まで暗くなってしまうと考えられています。
3位にした理由
Good!:彗星は珍しいので取り上げておきたかったし、今月は位置がわかりやすい。
Bad!:直接目で見て観測は難しそう。梅雨入りしていて雨になる可能性も高い。