先月の「ベスト3」実際にどう見えた? レポート
さて、5月の「星の見どころベスト3」の観測結果について、ご報告します。
春はぼんやりと霞がかっていることが多いのに加え、雲が多い日ばかりで観測はシビアでした。
Best3にあげた「木星」は、午前1時過ぎには見やすい高さまで昇り、土星とともに見られることを確認しました。双眼鏡でガリレオ衛星も見えましたが、夏に見たほうがもっとクリアに見えるでしょう。
そしてBest2にあげた「月と木星、土星、火星の接近」は、ちょうど月が下弦で3惑星の真ん中にある日を狙いました。
観測を始めた3時頃は雲が多くてあきらめかけましたが、30分ほどねばっていると、雲が流れて撮影することができました。夜明けが早く、すぐあとに空が白んできたので、時間がタイトでハラハラする観測となりました。
ちなみに今月も、9日(火)に木星と土星と月が近づき、13日(土)は火星に近づきます。
ただ、だいぶ木星と土星に対して火星が離れてしまって「並び」にはならないこと、月の欠け具合が中途半端なこと、連日の3時起きはツライということで、今回はBest3に入れませんでした。
とはいえ、惑星の明るさは増していますし、木星と土星と月、もしくは火星と月、とそれぞれのユニットにフォーカスすると美しい様子が見られると思います。
最後にBest1にあげた「金星と水星の大接近(5月22日)」「金星、水星、三日月の共演(5月24日)」ですが、22日は残念ながら天気が悪く、水星と金星を同時に望遠鏡でのぞくことはできませんでした。
次の日は雲の切れ間が出たので24日に備えるべく、下見をしました。
高度がかなり低いので自宅から見えないのでは……と思ったものの、この日の金星と水星の位置関係から、ギリギリ観測できることを確認。
また、宵の明星の金星が見納めということで、望遠鏡で見ておきました。
見えていたのはこのような感じ。
写真は星のソムリエ®の先輩からいただきました。金星は倍率が低い望遠鏡でも細い三日月状になっているのに加え、地球に接近しているので、宵の明星観測の今シーズンに観察を始めた当初よりも大きく見えることが実感できました。
また、このとき撮影された水星の写真もご提供いただきました。倍率の高い望遠鏡でないと水星の満ち欠けは見られないのですが、よくわかりますね。
そして24日、雲がかかる水星、建物からなかなか顔を出さない三日月、雲や建物に沈みそうになる金星……とシビアな状況でしたが、トライアングルのような「金星、水星、三日月の共演」の観測に成功しました。
双眼鏡で見ると、視野内に3つの天体が大きく見えて、感動したとの声も聞かれましたよ。
6月は梅雨になってしまいますが、ウェザーニューズによると、西・東日本の今年の梅雨入りは例年より遅く、梅雨の期間は短いのではと言われています。
今回「Best3」としてご紹介した注目の天文現象の日は、意外と天気に恵まれるかもしれません。
気になる天文現象があったら、ぜひ観測に挑戦してみてください。
Reference: 国立天文台(1, 2, 3, 4), 星空年鑑2020, ウェザーニューズ / written by ofugutan