がっかりと見せかけて実は興味深い天体
天体の名前はその後、若干修正されて「P / 2019 LD2」彗星となりました。
問題は、「なぜ彗星がトロヤ群の小惑星と一緒に軌道を回っているのか?」ということです。
彗星は基本的に、太陽から遠く離れたエッジワース・カイパーベルト、またはさらに遠くのオールトの雲と呼ばれる領域から、非常に伸びた楕円の軌道を描いてやってきます。
彗星が小惑星と一緒に太陽の周りを回るというのは、そもそもおかしいのです。
原因は、「P / 2019 LD2」彗星が木星の影響を受けて無秩序に軌道を変える特殊な動きをしていたためでした。
現在は、たまたまトロヤ群の小惑星の中に入り込んで、そっくりの軌道を動いているため、天文台も勘違いしてしまいましたが、それも無理のない話だったのかもしれません。
この彗星は、数十年で再び木星重力の影響を受けて軌道を劇的に変化させる可能性があるといいます。
今は一緒にいるトロヤ群の小惑星たちからも、いずれ離れていくでしょう。
新しいタイプの小惑星でなかったことにはがっかりしましたが、これはこれで素晴らしい発見だと、変わらず天文学者に注目されています。