文明と技術を示す他の道具も見つかる
洞窟から新しく発見されたのは弓矢だけではありません。猿や鹿の骨・歯から作られたナイフ、スクレーパー、キリもあり、これらは皮や植物性の材料を処理するために使用されていました。
また、ある道具の側面には均等に切り込みが入れられており、繊維を編んで網を作るためのシャトルとして使用されていたと判明。
他にも白い貝殻のビーズや、赤・黄・銀の色鮮やかな鉱物顔料が見つかっています。
これら様々な道具は当時の社会生活と技術革新の明確な証拠です。
考古学者たちは長年、技術革新や近代化を特定の地域や環境と結びつけてきました。
しかし、今回の発見は、技術的もしくは文化的発展が世界の多くの地域で生じていたことを示しており、古代人が並外れた機知と新しい環境への適応力を持っていたことの証明となります。
わたしたちは古代人の能力を過小評価していたのです。今後の発見も彼らの能力をさらに証明していくものとなるかもしれませんね。
この研究は6月12日、「Science Advances」誌に掲載されました。
https://advances.sciencemag.org/content/6/24/eaba3831
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