ダヴィンチの橋が自立するのはどうして?
さて、ここでダヴィンチの橋がなぜ自立するのかを考えてみましょう。
ポイントは部品それぞれに加わる「摩擦力」と「重力」です。
それぞれの力を考慮するために、便宜上、画像で左右に伸びている木を「棒」、前後(手前から奥)に伸びている木を「杭」とします。
最初に摩擦力について考えましょう。
杭と棒、棒と地面は接しており、それぞれには摩擦力が働いているので杭が飛び出したり、滑り落ちたりすることはありません。
もちろん、表面がすべすべした素材を使用するなら摩擦力が弱くなり、ダヴィンチの橋は完成しづらくなります。
続いて、それぞれの棒や杭に働く重力を考えましょう。
最初は一番シンプルなダヴィンチの橋で考えてみます。この橋は2つの杭(①、②)と2つの棒(A、B)で成り立っていますね。
棒Aには重力が働いているため下向きの力が生じます。しかし、杭②によって支えられているため、崩れることがありません。
では杭②はどうでしょうか。杭②には自身にかかる重力と棒Aからの力が働いていますが、棒Bに支えられています。
そして、棒Bにも同様に下向きの力が加わっていますが、杭①によって支えられているため崩れません。
もちろん杭①も棒Aに支えられていますね。
つまり、力の流れは次のようにループしています。
橋を構成する一部の部品に力が集中することなく、均等にお互いを支え合っているのが分かりますね。これがダヴィンチの橋が自立できる秘訣です。
では念のため、もう1つ棒と杭を増やして考えてみましょう。
力は次のように支えられていきます。
杭① → 棒A
杭③ → 棒C → 杭②
こちらも少し複雑になりますが、絶妙なバランスで支え合っています。
もっと複雑なダヴィンチの橋の力関係にもチャレンジしてみてくださいね。