不死への道は一点突破
研究を主導したランディス博士は老化にかかわる分子を探求していました。
ほとんどの多細胞動物(目に見える大きさの動物)には寿命が存在し、時間と共に老化して死んでいきます。
ランディス博士は、この寿命と老化の仕組みはあらゆる多細胞細胞動物で共通な一方で、もし一つの種でも寿命を延長できたのならば、人間を含むあらゆる動物にも同じことが可能だと考えていました。
ランディス博士が、その最初の一種として扱っていたのは、遺伝学のモデル生物として長い歴史のあるショウジョウバエでした。
ランディス博士はショウジョウバエに様々な種類の化学物質を食べさせ、寿命に変化がうまれるかを調べていました。
そして今回、ミフェプリストン(RU-486)と呼ばれる化学物質に劇的な寿命延長効果を発見したのです。
ミフェプリストンは一般に、人間の女性のための中絶薬として使われているほか、ほとんどの癌とクッシング病として知られるホルモン異常の治療薬としての効果があります。