ヒッグス機構の証明が新しい段階に入った
今回の結果は、ヒッグス粒子の崩壊により第2世代の素粒子であるミューオンが生まれることを示した最初の例になります。
これまでのヒッグス機構の証明は重い素粒子を中心に行われてきましたが、比較的軽いミューオンの質量もまたヒッグス粒子によって与えられている可能性が高まりました。
また研究が進んでいる重い第3世代の素粒子(トップ)においては、素粒子がヒッグス粒子とペアになって生成される様子もとらえられているそうです。
これは実験装置内部で素粒子が生成されると同時にヒッグス粒子が発生し、素粒子に即座に質量を与えていることを意味しています。
将来的にヒッグス機構の証明が完全になされるのか、それとも全く新しい物理学への取っ掛かりとなるのか…興味は尽きません。
もしヒッグス機構に例外があり、特定の条件で物体から質量が失われることが明らかになれば、人類は翼なしで空を飛べるかもしれないですね。
この研究は7月29日、欧州原子核研究機構(CERN)のwebページ上に公開されました。
https://cds.cern.ch/record/2725423