春・秋だけ一晩に3回脈動していた
火星の大気光の大半は、高度70キロ付近で生じていました。最も明るいスポットでは、水平方向に約1000キロほど広がっています。
明度は、地球の北極圏で発生するオーロラと同等ですが、大気流に乗っているため時速300キロというスピードで移動しています。
また、大気光は、春と秋の期間だけ一晩に決まって3回、脈動現象を起こしていました。これは季節ごとに変動する火星の大気流の動きに関係するものと思われます。
もうひとつの驚くべき発見は、火星の緯度0、経度0の地点でのみ持続的な発光スポットが存在したことです。
これに関してはまだ正体不明で、現段階では、その場所特有の地形や大気流によるものと推測されています。
研究チームは、今後も調査を継続し、火星全体の大気の動き、季節による大気中の変化、発光と地形との関連性などを解明していく予定です。
研究の詳細は、「Journal of Geophysical Research」に掲載されています。
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/2019JA027318