「パレイドリア」は感情も読み取っていた
実験では、60名の被験者を対象に、ある一定の方向(被験者の向かって左側)に視線を向けているように見えるパレイドリア物体(写真)を反復して見せ続けました。
これを繰り返した後、次に視線がまっすぐ向いているパレイドリア物体を見せると、被験者は「自分の右側を向いているように見える」と報告したのです。
これは「感覚順応」という錯覚であり、一定の刺激が続けて与えられることで生じる感受性の変化を指します。
パルマー氏は「感覚順応は、実際の人の顔を見ているときにも働く認知メカニズムであり、主に感情を読み取る社会的な意味を持っている」と説明します。

つまり、私たちは、顔に見える物や景色が無機物と分かっていても、そこに感情も読み取っているのです。
なので、顔状の物体を見て、「自分が見られている」とか「不気味な表情に見える」と感じるのは、この働きによるのでしょう。































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