商売のための航海
何年分もの食料や資材を積み込んでの航海には莫大な費用がかかります。
海の冒険には支援金を得るために、利益を生むような裏付けが必要でした。
コロンブスが提示した航海の見返りは、どこよりも短距離でインドへ行ける航路の発見だったのです。
こうした理由でコロンブスはインドを目指して大西洋を西へ向けて旅立ちました。そのため、新大陸を発見した当初、コロンブスはそれがインドだと信じて疑いませんでした。
そんな彼の勘違いは、現在も世界地図に地名として残っています。米国フロリダ州の南東、カリブ海の島々の中に、なぜか西インド諸島という名前の島があります。
なんでこんなところにインド? と子供の頃に地図を見て不思議に思った人もいるかもしれません。西インド諸島の名前はコロンブスがインドに到着したと勘違いしたことが由来です。
彼の理解では、この辺りにインドがある予定だったのです。しかし、実際の世界はその何倍も広く、そしてコロンブスはインド航路の発見よりも、はるかに偉大で貴重な発見を成し遂げたのでした。
コロンブスが当時の人々の世界観を一変させたのは、地球が丸いではなく、地球が思ってたよりずっと広いということだったのです。