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Credit:ESO/Exeter/Kraus et al./L. Calçada
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「3つのリング」に円盤が分裂した”幻想的な三重連星”をアルマ望遠鏡が観測。まるで天球儀みたい!

2020.09.08 Tuesday

オリオン座の方角へ約1300光年の距離に、3つの太陽を持つ三重連星系「オリオン座GW星 (GW Orionis)」という天体があります。

この連星系は、巨大な原始惑星系円盤に取り囲まれていますが、これが珍しいことに3つのリングに分裂して、それぞれが互い違いの角度に傾いているのです。

まるで天球儀のような不思議でロマン溢れる形のこの天体を、11年にも渡って詳細に観測した研究が、9月4日付けで科学雑誌『Sience』に掲載されました。

オリオン座GW星 のイメージ画像は見ているだけでも美しいですが、一体どのようにしてこの不思議な光景が形成されたのか、研究チームはその謎をシミュレーションによって解明しています。

ESO https://www.eso.org/public/news/eso2014/

天球儀のような幻想的な天体「オリオン座GW星 」

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Credit:depositphotos

複数のリングが角度をつけて囲む宇宙を象った模型「天球儀」。

こういう置物カッコよくて好き、という人も多いと思いますが、そんな天球儀のようにロマン溢れる姿の天体が宇宙には存在しています。

それがオリオン座GW星です。

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オリオン座GW星の想像図(左)。ESO超大型望遠鏡のSPHERE装置とALMA望遠鏡によって撮影されたオリオン座GW星(右)。/Credit:ESO/L. Calçada, Exeter/Kraus et al.

これは3つの恒星が互いに回り合う三重連星で、誕生してからまだ100万年程度と若く、その周囲は惑星を形成する塵とガスの集まり「原始惑星系円盤」が取り囲んでいます

私たちの太陽系もかつては原始惑星系円盤を持ち、そこから地球や火星も生まれてきましたが、こうした星を取り囲む円盤は、通常きれいに平面状で並んでいます。

ところがオリオン座GW星では、この原始惑星系円盤が3つのリングに分裂して、まるで天球儀のようにズレた角度で星を取り囲んでいるのです。

研究チームが観測データから再現したイメージ画像は、なんとも幻想的なその姿を描いています。

次ページなぜ円盤は分裂したのか?

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