貝の羽ばたきは虫の羽ばたきと同じ仕組み
羽ばたく貝の存在自体は、以前から知られていました。
羽ばたく貝は海水よりも僅かに重く、日中は羽ばたきながら海面近くに移動して餌となるプランクトンを食べ、夜になると動きをとめて海中深くに沈んでいくという生活パターンをとります。
しかしこれまで、貝たちの羽ばたき運動に着目した研究は進んでいませんでした。
そこで研究者たちは、これら羽ばたく貝たちを水槽に入れて、三次元カメラで動きを追跡することで、その羽ばたき運動を追いました。
結果、貝たちの羽ばたき運動は単調なものではなく、陸上の羽虫と同じく全体が「8の字運動」を行っていることが判明したそうです。
陸上の虫の羽は8の字運動を行うことで、単純な推力だけでなく羽の表面に生じる渦の空力を利用していることが知られています。
虫と貝は進化的に大きく異なりますが、収斂進化の結果か、羽ばたき運動に共通点ができていたようです。
しかし研究者たちはまだ満足しませんでした。実は他にも重要な事実が隠させれていたからです。