原理は誰でも知っている髪と下敷きを使った静電気
誰でもとは言いませんが、多くの人は子供の頃に頭に下敷きを擦りつけて、静電気で遊んだ覚えがあると思います。
静電気を起こすコツは、下敷きと髪の毛を繰り返し擦り合わせる点にあります。頭に載せるだけでは静電気をうまく作れません。
今回の研究では、この静電気を作るコツが発電システムに応用されています。
装置の中核である2枚のフィルムは風よってはためき、接触と乖離を繰り返すことで、下敷きと髪の毛のように擦り合わせる関係を構築して静電気をうみだします。
ただ子供の遊びとは違って、この装置は生じた静電気をフィルムを通して吸収して、電力源とすることができるのです。
今回開発された発電フィルムは銀の薄く伸ばした電極を、プラスチックではさむことで作られており、生じた静電気を銀が逃さず、吸収して外部へと伝達します。
原理は至って明快であり、装置を作るために高度な最先端の技術も必要ありません。
しかし誰もが知っている遊びを、人類の役に立つようにできたのは、今回の研究がはじめてでした。