大気圏に弾かれる流星 アースグレイジング火球
非常に浅い角度で地球に接近した隕石は、石投げの水切りのような状態で大気圏内へ深く侵入できず弾かれていきます。
このように地球大気圏内に侵入していながら、地球へ落下することも大気圏で燃え尽きることもなく宇宙へ帰っていく流星を「アースグレイジング火球(英: Earth-grazer)」と呼びます。
これは年に数回程度発生していて、過去にいくつかの目撃例はありますが、撮影されるのは非常に珍しいものです。
映像でははっきりと弧を描いて弾かれているように見えますが、実際は接線方向に地球をかすめて通り抜けているだけで、極端に曲がって見える軌道は地上観測による影響です。
こうした流星は地球に落下しないので、特に危険はないように思えますが、最近の研究ではツングースカ大爆発を起こした隕石は大気圏で弾かれた流星だったのではないか? とする研究も発表されています。