惑星形成モデルの問題点
上記は一般的な惑星形成モデルの考え方ですが、ここには未解決の問題点があります。
塵やガスを集めて成長していく惑星形成には、非常に長い時間がかかります。しかし、恒星の周囲の円盤は、恒星自体への塵やガスの降着や、磁場などの作用により星の極方向へ物質が吹き飛ばされてしまうため、100万年程度でかなりの質量が失われてしまいます。
100万歳を超えた恒星の周りでは、もう太陽系レベルの惑星形成には物質が足りない状態となってしまうのです。
このことは惑星形成を理解する上での大きな矛盾点でした。
しかし、今回の発見は50万歳未満の星の周りで、すでに十分な大きさの惑星が育っている可能性を示唆しているのです。
分析によると、「IRS 63」から19天文単位の距離には、木星質量の0.47倍の物体によって隙間が作られた形跡があり、37天文単位の隙間は木星質量の0.31倍の物体が刻んだ可能性があります。
地球が木星の0.003倍の質量しかないということを考えると、かなり大きな天体が恒星誕生の初期段階ですでに急速に降着を始めていることになります。
これはこれまでの惑星モデルの考えからすると、予想外の事実です。