重度の脳障害を負った男性が睡眠薬で覚醒状態になる
重度の脳障害を負った男性が睡眠薬で覚醒状態になる / Credit:Science Direct(Cortex)
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重度の脳障害患者が「睡眠薬」によって、逆に”意識を取り戻す”事例が報告される (2/5)

2020.10.23 Friday

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6.7%の希望

ゾルピデムは日本ではマイスリーの名で先行販売されていた
ゾルピデムは日本ではマイスリーの名で先行販売されていた / Credit:アステラス製薬

リチャード氏のような無動無言症に陥った人間は、6.7%という僅かな確率ながらも睡眠薬として知られるゾルピデム(マイスリー)を接種することで、意識を回復させることが知られていました。

そこで彼の主治医は、家族の同意の元、10mgのゾルピデムを投与しました

すると奇跡が起こります。

ゾルピデムを投与されてから僅か20分でリチャード氏は自発的に話し始め、父親に電話したいと告げ、車椅子から立ち上がって歩くようにさえなったのです。

しかし、悲しいことに効果には時間制限がありました。

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