本物と偽物の簡単な見分け方
プロの宝石商に依頼
もちろん、最も確実な方法はプロの宝石商に依頼することです。
宝石商は、天然と模造を識別するためのダイヤモンドテスターを持っています。
天然ダイヤは、模造品とは異なる熱伝導性を持っているので、テスターで熱伝導の速度を確かめれば、すぐに見分けられます。
また、プロの目は、天然ダイヤのみに見られる微小な含有物を見つけ出すことができます。こうした含有物は自然界ならではのもので、人工ダイヤには存在しません。
「水」を使う方法
宝石商の依頼に時間とお金をかけたくなければ、自宅で簡単に見分ける方法もあります。
代表的なのが、水を使った方法です。
水を入れたコップを用意して、そこにダイヤを落とします。天然ダイヤだと密度が高いので、すぐにコップの底に沈みます。
しかし、模造品の多くは、水面に浮いたり、沈むのが遅かったり、コップの真ん中あたりで止まったりするのです。
「新聞紙」を使う方法
新聞紙を用意して、文字が印刷されたページの上にダイヤをかざして移動させます。下の文字がダイヤごしに見えなければ、本物です。
天然ダイヤが持つ多くの面と反射特性は、下の文字を見えなくさせます。
しかし、模造品では多少ぼやけるものの、文字を判別するには十分な透過性があります。
「火」を使う方法
ダイヤを20〜30秒ほど火に当ててから、水を入れたコップの中に落とします。本物だと、ダイヤは完全に無害です。
しかし、偽物で同じことをすると、熱が石内部のエネルギーを増加させるので、水の落とすとヒビや曇りが生じます。
「紙やすり」を使う方法
紙やすりを用意して、ダイヤの表面をこすります。本物の天然ダイヤは、鉱物界一の耐久性があるので跡がまったく残りません。
しかし、偽物だと表面に傷ができることが多いです。
偽物だとしても大切なダイヤなら、やらないほうがいいかもしれません。
フォグ(霧)テスト
窓ガラスに息を吹きかけると表面に曇りができますね。
これを利用して、ダイヤ表面に暖かい空気を当てると同じようにフォグ(霧)ができます。
そして、本物だと霧は瞬時に消えるのですが、偽物の場合、霧が完全に消えるまでに3〜4秒ほどかかるようです。
ここに紹介した方法は自宅で簡単に試せますが、よくできた人工ダイヤだと正確に見分けられないこともあります。
プロに頼むのが確実ですが、それでも大半の模造品はこれらの方法で識別できるでしょう。
やはり人工的に短時間で作られて偽物では、地球深くで長い年月をかけて作られた本物には近づけないのですね。