からだの一部を切り離して「クローン増殖」する
コウガイビルは肉食で、ミミズやナメクジ、カタツムリなどを捕食しますが、人間にはまったく無害です。
食事の際は、半月型の頭からエサを食べると思われがちですが、実は口にあたる部分はお腹辺りにあります。そこから喉のような器官を押し出して、消化酵素を分泌し、ミミズやナメクジを溶かして汁を吸い取るのです。
繁殖も不可思議であり、成体のコウガイビルが尻尾の一部を切り取ってその場を去ります。切り取られた部分からは10日以内に頭が生えてきて、一個体として活動を始めるのです。
交配なしの無性生殖のため、際限なく増えていきます。そのため以前紹介した「クローン人工ザリガニ」のように、自然界で際限なく増えてしまう危険性があるのです。
現時点では、驚異的な能力の数々を見せつけられるばかりで、その仕組みはまったく解明されていません。
アメリカには1900年頃、植物の輸入の過程で入ってきたとされており、バージニア州では数十年前から一般に目撃されるようになっていました。(日本にも数種ほど存在)
バージニア州で数が増えている原因はわかっていません。
野生生物管理局は、当面の駆除方法として「塩か柑橘系の油をかけるのが有効」としています。