超新星爆発を使った距離の測定
いきなりダイナミックな調査方法ですが、遠い宇宙を調べる場合、超新星爆発を利用した距離の測定方法も存在します。
超新星爆発は夜空の中でも非常に明るい現象です。突然新しい星が生まれてきたかのように見えることから、昔の人はこれを「超新星」と名付けました。
しかし、実際の超新星は、重い星が自重に耐えきれなくなって起こす爆発現象です。
超新星には発生プロセスによっていくつか種類があります。その中で宇宙の距離測定に利用されるのがIa型(いちえいがた)超新星です。
Ia型超新星とは、白色矮星が起こす特殊な超新星爆発です。
白色矮星とは、核融合の燃料を使い果たして死んだ星のことですが、これが近くに別の星を持つ連星だった場合、伴星の物質を奪い取って再び活性化することがあるのです。
白色矮星は、星として維持できる質量の限界が決まっています。これをチャンドラセカール限界といい太陽の1.4倍以上の質量になることはありません。
そのため伴星から物質を奪い限界質量に達した白色矮星は、超新星爆発を起こすのです。
つまり「白色矮星は2度死ぬ」わけですね。
このIa型超新星の重要な点は、全てがほぼ同じ質量で発生するため、ピーク時の光度がどの天体でもほぼ一致していることです。
明るさがみんな一緒ということは、これまでの方法と同様に地球から見て明るさが異なるとき、それは純粋に距離の影響として比較できるのです。
超新星は銀河1個分に相当する明るさだと言われています。Ia型超新星は90億光年という遠方からでも確認できるため、非常に遠い宇宙を調べる際にも利用できるのです。