ノルアドレナリンの行方が解明される
人間が集中力を必要とする場合、最初に脳幹にある青斑核(せいはんかく)からノルアドレナリンが分泌されます。しかし科学者たちはその後ノルアドレナリンがどうなるのか詳しく理解していませんでした。
今回の研究では、その分泌されたノルアドレナリンがバーグマングリア細胞の受容体に吸着すると判明。
このバーグマングリア細胞とは、小脳皮質に存在する細胞アストロサイトの一種です。
ちなみにアストロサイトにはシナプスや脳血流を制御する働きがあります。
さて受容体がノルアドレナリンを受け取ると、バーグマングリア細胞のカルシウム濃度が上昇し、細胞が活性化します。
研究チームは、当初バーグマングリア細胞のみに焦点を当てていましたが、実際にはアストロサイト全体で同様の現象が起こるとも分かりました。
ポーケルト氏は「私たちの発見は、アストロサイトが認知機能に積極的に関与しているという現在の提案と一致している」と述べています。
このように今回の研究では、エタノールがノルアドレナリン分泌を抑制することや、通常時ノルアドレナリンがどのような経路をたどるのか解明されました。
では、飲酒によって起きるバランス感覚の低下も、ノルアドレナリン抑制が関係しているのでしょうか?