千鳥足とは関係がない?
従来の知識によると、小脳は運動制御の役割を担っています。
そのためチームは、小脳の一部であるアストロサイトのカルシウム活性化をエタノールが阻むことで、運動能力が制限され千鳥足になるのではないかと予測。
ところが実験の結果、この予測ははずれていました。運動能力とノルアドレナリンによるカルシウム活性化には大きな関係が無かったのです。
ですから飲酒による運動能力の低下はまた別の経路で誘発されていると考えられます。
さて、今回の研究はエタノールが脳に与える影響を明確にしました。この発見は将来科学者たちが、脳に本来備わっている覚醒システムを解明するのに役立つでしょう。
それはつまりADHD(注意欠如・多動症)などの原因を解明・治療するのにも役立つかもしれないということです。
今後の研究に期待したいですね。