同じ行動を続けても、他人のためなら幸福感は薄れにくい
2つ目の実験ではオンライン上の502人の参加者を対象としました。
彼らは10ラウンドのワードパズルゲームをプレイし、各ラウンドをクリアするごとに5セント獲得できます。
そしてその5セントは自分で保持するか、または慈善団体に寄付するようになっていました。
さらに参加者は各ラウンドの後に、ゲームクリアがどれほど彼らに喜びや幸福感、また高揚感をもたらしたか自己申告しました。
参加者は単純にゲームクリア後の喜びの度合いを報告しますが、そこには「労して自分が賞金を獲得する」ことと、「労して他の人に募金する」ことの違いが影響を及ぼすことでしょう。
つまり、その報告には「与える喜び」と「得る喜び」の違いが表れるのです。
実験の結果は1つ目の実験と同じでした。
賞金を得た人の幸福感は、他人に与えた人よりもはるかにゆっくりと低下していったのです。
この結果を受けて研究チームは、「人々が報酬を受け取る場合、結果に焦点を合わせます。そして結果は簡単に比較できてしまうため、同じ経験に対する感度が低下する」と予測。
対して、「人々が寄付などをして与える場合、結果ではなく行動そのものに焦点を合わせるため、何かと比較することなくいつでも新鮮な幸福感を得られる」と考えています。
また他の人に与えることは社会的評判を維持し、社会的な繋がりを強化するので、この点も幸福感維持に役立っているのかもしれません。
現在、感染病によって制限があるため、私たちの行動はどうしてもマンネリ化しています。幸福度も低下するでしょう。
もしそのように感じているなら、誰かに贈り物をしてみるのはいかがでしょうか?新鮮で長続きする幸福感が得られるかもしれません。