変異細胞のみでつくられた体
発見の契機となったのは、両親の遺伝子との比較でした。
双子のうち一方が両親の遺伝子をそのまま引き継いでいるのに、もう一方の兄弟の遺伝子に、変異が集中しているケースが全体の15%ほどの頻度で発生していることに研究者たちは気付きました。
はじめは、個々の体に細胞が割り振られた後に起きた変異だと考えていました。
しかし研究者たちが双子の受精卵(14日以内ならば合法)を調べた結果、変異は細胞が個々の体に割り振られる前に発生しており、兄弟の一方が正常な細胞からなり、もう一方の兄弟は正常な細胞に加えて変異した細胞が集中している例を発見したのです。
中には、一方の体のほぼ全てが、変異細胞で構成されているケースもありました。
この事実は、何らかの仕組みが働き、正常な細胞と変異した細胞の選別が働いたことを意味します。