「文法」と「意味」という言語概念でウイルスを解釈する
言語概念でウイルスをどのように解釈できるのか、例えで考えてみましょう。
【黒い、とげの大きな微生物】という文(配列)のウイルスがあるとします。
このウイルスには「からだが黒色の微生物」かつ「大きいとげを持つ微生物」という意味があります。
そこで免疫系は「大きいとげを持つ微生物」をブロックするようにします。
しかしウイルスは変異を起こして、【黒いとげの、大きな微生物】へと変化します。これは【、】の位置が変わるという些細な変異です。
ところが意味は大きく変わります。ウイルスは「黒色のとげを持つ微生物」「からだが大きな微生物」という意味に変化するのです。
当然、「大きいとげを持つ微生物」をブロックする免疫系には引っかからなくなります。
ちなみに、突然変異の仕方によっては、【黒いとげの大き、な微生物】となることもあります。
これは「文法的に正しくない=感染力が弱い」ので、ウイルスとして大きな影響を持ちません。