自分にかかわる情報には前頭葉で自己バイアスがかかる

人間は自分にかかわる情報には敏感です。
自己バイアスによって「自分」と関係があるとされた情報は、ワーキングメモリ(一時的な記憶)に強く残ると考えられているからです。
しかしながら、この自己バイアス機能が脳のどの領域で行われているかは、あまり知られていませんでした。
そこで研究者たちは自己バイアスの根拠地を調べるために「MRI」によって脳の活性度を測定することを思いつきます。
被験者たちはMRI内部で、地図上に示された自分自身とされた点と、実際の友人の名前を元にした点、そして全く知らない他人を示した点の場所を覚えるように指示され、その後どの程度覚えているかをテストされました。

結果、自分自身とされた点についての記憶が形成されるときには、前頭葉にある腹内側前頭前野(略称 : VMPFC)が大きく活性化しており、最も速い反応につながりました。
またVMPFCとワーキングメモリの活動同期が多いほど、さらに応答時間の迅速化がみられました。
一方、興味深いことに、全く知らない他人に対する脳の活性度は、意味のない点よりも低くなりました。
この結果は、人間が「自分と無関係な人間」に対しては冷酷ともとれる、マイナスのバイアスをかけている可能性を示唆します。
ですが今回の研究で最も興味深い点は、この後に行われた記憶力の操作実験にありました。