「新車のニオイ」の原因
新車に乗ったときに感じる「独特なニオイ」は、揮発性有機化合物(略称:VOC)やシート素材に含まれる成分が原因だと言われています。
このVOCとは、大気中に揮発する有機化合物の総称であり、ベンゼンやトルエン、またホルムアルデヒドなどを指します。
そしてこれらの化学物質は、プラスチックや接着剤、繊維、発泡体として自動車材料に使用されているのです。
「揮発性」という名前のとおり、ゆっくりと空気中に浸透したり、ホコリに付着したりします。
環境毒物学者であるボルツ氏もこの点を強調し、「これらの化学物質は揮発性が非常に高く、プラスチックや繊維から空気中に簡単に移動します」と述べました。
また、シートの種類によってはウレタン素材が使用されており、こちらにもアミンやホルムアルデヒドが含まれるのです。
当然、VOCは換気がなされていない車内で濃度を高めることがあり、私たちが「新車のニオイ」を感じたときには、化学物質も一緒に吸い込んでいることになるでしょう。
そのため研究チームは、それらの化学物質が運転手にどのような影響を与えるか調査しました。