従来のプラスチックリサイクル法
現在行われているプラスチックのリサイクル法のほとんどは、メカニカルリサイクル(物理的再生法)です。
これは、回収・分別したプラスチックを細かくスライスし、新しいプラスチック材料に利用するというもの。
しかしリサイクルの過程で不純物が混じるため、リサイクルするたびに品質は悪化し、結局は新しいプラスチックが製造されることになります。
もう1つのリサイクル法はケミカルリサイクル(化学的再生法)です。
これはプラスチックの鎖状ポリマーを熱や溶剤で分解し、材料としてポリマーの成分を回収するという方法ですが、回収効率が高くありません。
例えば、最も一般的なプラスチックである「ポリエチレン」は、結合を壊してモノマーを回収するために600℃の熱を必要としますが、リサイクル回収率は10%未満です。
つまり既存のリサイクル法には、「劣化」または「低回収」という問題があるのです。
そこで研究チームは、リサイクル回収率の高い新しいプラスチックを作り出すことにしました。