起きたまま脳に電極を刺す手術が行われ強迫性障害を治療することに成功! 左2枚は脳深部刺激療法(DBS)の代表的な画像で、右の1枚は別タイプのEEGと呼ばれる脳の刺激法
起きたまま脳に電極を刺す手術が行われ強迫性障害を治療することに成功! 左2枚は脳深部刺激療法(DBS)の代表的な画像で、右の1枚は別タイプのEEGと呼ばれる脳の刺激法 / Credit:drkhalidmahmood . MDPI
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「患者が起きたまま脳に電極を刺し」強迫性障害を治療することに成功 (3/4)

2021.04.27 Tuesday

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薬で治らなかった症状が回復

強迫性障害ではうつ症状や不安症状が合併して起きているのがほとんどだが、今回の研究ではそれら合併症の治療も行われた。なお意識があるまま手術を受けたのはP1、P3、P4の患者である
強迫性障害ではうつ症状や不安症状が合併して起きているのがほとんどだが、今回の研究ではそれら合併症の治療も行われた。なお意識があるまま手術を受けたのはP1、P3、P4の患者である / Credit:Lora Kahn et al (2021)

実験の結果、強迫性障害を改善することに成功しました。

研究に参加した患者たちは全員、薬物での治療に効果がありませんでしたが、電極によってへの刺激が開始されると、強迫性障害が平均で44%もの改善がみられました。

患者たちには「絶え間ない悪い予感」「異常な凝視癖」「東と南への執着」「地獄に落ちることへの恐怖」「無生物に監視されている」など、独自の苦しみが存在しましたが、電気刺激がはじめられると、これらの強迫観念は薄れていったとのこと。

また強迫観念に合併して引き起こされていた、うつ症状が53%、不安症状が35%改善したほか、生活の質も27%上昇。

全員が職場や学校、ボランティアなどの社会活動に復帰することに成功しました。

また興味深いことに、意識がある状態で手術を受けた患者の1人(上図のP3)では、時間の経過とともに症状の改善幅が拡大していく傾向がみられました。

これらの結果は、脳に刺し込まれた電極が強迫性障害を起こしていた異常回路の封鎖に成功したことを示すと共に、合併して起きていた、うつ症状や不安症の改善にも成功したことを示します。

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