あくびの役割は「脳のクールダウン」?
私たちは1日に5〜15回ほどあくびをしますが、この奇妙な行動を取るのはヒトだけではありません。
あくびは多くの脊椎動物で確認されており、なぜこの行動が進化したのか、専門家らは疑問に思っています。
一説に、あくびは血液に酸素を供給する役割があると言われますが、これは間違いです。
そうではなく、あくびには脳を冷やす機能があることが近年の研究で分かってきています。
研究主任のアンドリュー・ギャラップ氏によると、あくびは「冷たい空気の吸入と口腔周囲の筋肉のストレッチを同時に行うことで、脳への冷たい血液の流れを増加させ、体温調節をしている」とのこと。
すでにいくつかの研究で、あくびをすると脳の温度が下がり、周囲の室温(気温)によってあくびの頻度が決まることも示されています。
また、保冷剤を頭や首に当てると、脳が冷やされて、あくびがほとんど出なくなるのです。
あくびが脳を冷やすという説は、今回の研究の結果を支持しています。
つまり、脳が大きいほど、あるいは脳の働きが活発であるほど、より多くの冷却が必要となるのです。哺乳類を対象とした先行研究でも、大きな脳を持つ動物はあくびが長くなることが示唆されています。
研究チームは今回、これがどれほど普遍的なものかを決定するため、哺乳類の他に鳥類も対象としました。