あくびは集中力を回復させている証拠?
チームは、55種の哺乳類と46種の鳥類を撮影して、1250回以上のあくび映像を収集しました。
同チームのヨルグ・マッセン氏は「カメラを持って動物園を回り、それぞれの動物があくびをするのを檻の側で待ち構えていました。
かなりの長丁場で、忍耐力を要しました」と言います。
それから、YouTubeやFacebookで公開されている動物のあくびも可能な限り収集し、あくびの持続時間と、脳のサイズおよび神経細胞の数との関連性を調べました。
その結果、体のサイズとは関係なく、脳が大きくて神経細胞が多いほど、あくびの時間は長くなっていたのです。
さらに、鳥類よりも哺乳類の方が、あくびの持続時間が長いことが分かりました。
これは鳥の方が体内の中心温度が高いことで説明できます。
要するに、鳥の体温は周囲との温度差が哺乳類より大きいため、鳥の血液は周囲の空気によって冷やされやすく、短いあくびで十分なのです。
脳は適切な温度で最もよく働き、何らかの理由で脳の温度が上がりすぎると、注意力や集中力が低下してしまいます。
この対抗策として、哺乳類と鳥類はあくびを進化させたと考えられるのです。
マッセン氏は「あくびは失礼な行動というより、体が集中力を維持しようと本能的に努力している証拠なのです」と述べています。