選択問題が多いほど、男女のスコア差が拡大
グリセルダ氏は、2012年と2015年に実施された国際学力テスト「PISA(OECD生徒の学習到達度調査)」のデータを分析しました。
PISAは、義務教育の終了年にあたる15歳3ヶ月〜16歳2ヶ月の生徒を対象に、数学・科学の知識、読解力、問題解決力を評価するもの。
3年ごとに実施され、一回の試験で60カ国以上、延べ50万人の生徒が参加します。
テストの難易度は同じですが、調査の結果、選択問題の割合にはランダムなばらつきが見られました。
例えば、2015年度には、全体の70%が選択問題で構成された試験を受けた生徒もいれば、選択問題が30%しかない試験を受けた生徒もいます。
グリセルダ氏は、この選択問題の割合の違いを利用して、数学のスコアの男女差にどのような影響を与えているかを分析しました。
その結果、女子生徒は選択問題のスコアが男子生徒に比べて低く、とくに選択問題の割合が60%を超えると、その傾向が顕著になっていました。
上の図を見ると、選択問題の割合が30%のとき、男女のスコア差は2%に留まっていますが、70%のときは約4%まで広がっています。
なぜこうした傾向が生じるのでしょうか。