エコーロケーションはだれもが習得可能だった!?
訓練の結果、健常者と視覚障がい者の両方が、すべての測定値においてパフォーマンスを向上させました。
そして研究チームにとって意外なことでしたが、一部のケースでは目の見える人の方が、見えない人よりも高い成績を収めたとのこと。
ただし、もっと重要なこととして、「学習率やエコーロケーション能力には、年齢や視覚障がいの有無が大きな影響を与えない」という結果が出ました。
つまり、どんな人でも訓練次第でエコーロケーションを習得できるのです。
さらに訓練後3カ月間の追跡調査では、視覚障がい者の参加者全員が日常生活で移動しやすくなったと報告し、そのうち83%は自立性と幸福感の向上も報告しています。
現在、舌打ちを用いたエコーロケーションは、視覚障がい者の移動訓練、リハビリテーション課程に含まれていませんが、そうすることのメリットは非常に大きいと分かります。
またターラー氏は、「将来、視力を失うと予想される人々に、エコーロケーションに関する情報と訓練を提供するのは理にかなっている」と述べました。
今回の研究により、エコーロケーション技術の学習や訓練が普及していくかもしれません。
どんな人でも学習できるので、「視覚に頼らない空間把握技術」を習得したいと思う人は多いでしょう。
今後の社会の進展に期待したいですね。