蜘蛛の糸に秘められたタンパク質構造を模倣する
蜘蛛の糸は鋼鉄以上の強度をもっているだけでなく、高い軽量性と伸縮性を備えています。
しかも糸の材料はタンパク質であり、その紡糸プロセスには少しのエネルギーしか使用しません。
研究チームが蜘蛛の糸を調査したところ、その強さを与える特徴の1つは「規則的で高密度の水素結合」にあると分かりました。
蜘蛛の糸は独特なタンパク質構造によってその強度が生み出されていたのです。
この構造を模倣するなら、強力な材料が生み出せるかもしれません。
ただし蜘蛛の大量繁殖は難しく、蜘蛛以外の動物性タンパク質利用にもコストや持続性などの点で限界があります。
そこでチームは、環境にやさしい植物タンパク質で蜘蛛の糸の構造を再現しようとしました。