星の密集した場所では、宇宙船の移動速度が発展の妨げになりにくい
銀河中心部は古い惑星が多く、生命が進化するために十分な時間があります。
そして、文明が広がっていきやすい条件も整っているわけです。
また、銀河の中心では、超大質量ブラックホールを利用して、銀河全体へ信号を送ることもできるといいます。
しかし、私たちはずっと銀河の中心にも電波望遠鏡を向けていて、さまざまな波長の観測を繰り返していますが、異星文明の兆候をキャッチしたことはありません。
それはなぜなのでしょう?
おそらく、その沈黙こそが答えでしょう。
でも、もしかしたら、高度な文明は私たちのような星に干渉しないよう配慮しているのかもしれません。
また、私たちの存在する銀河系の位置を考えた場合、私たちのもとに誰も来ないことは自然なことだという推定もあります。
今回のシミュレーションでは、銀河中心に文明があった場合、地球の位置に100万年の期間に誰も来ない確率は89%だと導かれています。
銀河の中心からは、地球は辺境すぎて気づかれていないというのです。
これはさまざまなSF作品でも画かれることのある設定ですね。
今回のシミュレーションはあくまで文明が広がる際の効率に着目したもので、別に銀河の中心に文明があると言っているわけではありません。
同様の理由で、天の川銀河の中心から数万光年離れた位置に浮かぶ、球状星団も可能性のある領域だといいます。
球状星団は、その名の通り球状に星が集まった天体で、天の川銀河の回りにも150個以上見つかっています。
球状星団も星が密になっているため、この領域内に惑星があった場合、隣の星系へ移動するためにはわずか数年、通信ならは数カ月でもできる可能性があるというのです。
まさに文明が効率的に発達しやすい環境です。
ただ、これもあくまで効率の話であって、球状星団内では、逆の星が近すぎて惑星の軌道などは容易に破壊されてしまいます。
そもそも球状星団の中に惑星があるのかどうかも現在のところ、よく分っていません。
しかし、SF的な妄想をふくらませるならば、今回の研究はかなり面白い言及をしているでしょう。