正確な口臭チェックは難しい
口臭のほとんどは口腔内から発生する「生理的口臭」です。
生理的口臭は「卵が腐ったような臭い」であり、起床時の口臭などがこれに当てはまります。
この臭いは硫化水素が原因であり、口腔内で細菌が繁殖することで生じます。
つまり口臭チェックするには、呼気中に含まれる硫化水素を検知すればよいのです。
実際、私たちの周囲には硫化水素を検知する安価な「ポータブル口臭チェッカー」がたくさんあります。
しかしこれらは医療器具ではなく、必ずしも正確な測定値が出るわけではありません。
研究チームも論文内で、「高選択性(特定の化学反応が優先的に起こる)・高感度の硫化水素ガスセンサーの作製は依然として困難であり、実際の呼気による分析は、私たちの知る限り、適切に行われていない」と述べています。
もちろん、歯科医が利用するような高精度の口臭チェッカーもありますが、それらは院内に設置されている高価な機器によるものであり、一般の人は気軽に利用できません。
そこでチームは、高精度で誰もが簡単に利用できるポータブル口臭チェッカーの開発に取り組みました。