切られたプラナリアには何が起こっているのか
なぜ切っても再生する?
ではなぜ、プラナリアは切られても再生する能力が高いのでしょうか。
それは、ほぼ全ての細胞1つ1つが、
「どの位置に、どの細胞や臓器を、どのような大きさで配置するべきか」
という番地のようなもの記憶しているためです。
そのため、身体が切られて欠損しても、残りの細胞が修復方法を知っているのです。
そういった細胞を生物学では
・分化に優れた細胞
・全能性のある細胞
・最強な幹細胞
・万能細胞
と表現することがあります。どこかで聞いたことがあるかもしれません。
つまりプラナリアを一言で表すと「万能細胞だらけの生き物」なのです。
記憶はどうなっているの?
生き物の記憶は、脳に詰まっていると考える人は多いのではないでしょうか。
しかしプラナリアの場合は脳以外の部位にも、特に細胞1つ1つに記憶が蓄積されているのでは、と考えられています。
実際に、2つに切り分けたプラナリアが、同じ記憶を持っていたことも証明されています。
1つの個体に、光のある方に食べ物があることを学習させました。
ちなみに、プラナリアは目が可愛いですが、あまり視力は良くなく、光を感じる程度です。
記憶後の固体を切り分け再生させたところ、新しく生まれた個体も光のある方向へ食べ物を求めたのです。
近年、生物の記憶は脳以外にもあるという説が根強くなっています。
例えば、人が心臓移植を受けた際、このような話があります。
食べ物の好みが、心臓提供者の好みに変わった。
知らなかったはずのことを知っていたが、提供者の知識だった等です。
生き物は日々の記憶を体全体で受け止めているのかもしれませんね。