アスベストによる悪性胸膜中皮腫
悪性胸膜中皮腫とは、肺の外側にある胸膜で発生する難治性のがんであり、増殖して胸膜全体に広がります。
発症すると胸腔(きょうくう)と呼ばれる場所に水がたまるため、苦しい場合には水を抜く処置をしなければなりません。
また悪性胸膜中皮腫の治療法は、「外科的に胸膜に張り付いた腫瘍を剥がす」というもので、術後も激しい痛みが伴います。
抗がん剤療法、免疫療法などもありますが、現段階では十分な延命効果が得られていません。
さらに罹患後の平均余命は1年半以内であり、非常に予後の悪いがんとして知られています。
2018年の時点で全世界の罹患者数が3万433人、死亡者数が2万5576人ですが、今後も年間3000人以上の発症が予測されます。
そして2039年までの累計死亡者数は10万人と予測されているのです。
このように悪性胸膜中皮腫は非常に恐ろしいがんであり、画期的な治療薬開発が求められてきました。