アスベストのがんの特効薬が開発される
アスベストのがんの特効薬が開発される / Credit:田原栄俊(広島大学)_アスベスト(石綿)のがんの特効薬・核酸医薬の開発に成功〜ヒトでの臨床試験(医師主導治験)を2021年9月に開始〜〜新規創薬ベンチャー株式会社PURMX Therapeutics設立して実施〜(2021)
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アスベストを原因とするがんの特効薬が開発される!9月に治験開始

2021.08.01 Sunday

2005年、日本ではアスベスト(石綿)による健康被害が多発し、国民的関心事となりました。

それ以来、アスベストの使用は大きく制限されてきましたが、それまでの影響は今後大きく表面化すると考えらえており、その対策が必要です。

なぜなら、アスベストが原因で発症するがん「悪性胸膜中皮腫」は、アスベストを吸い込んでから25~50年後に発症すると言われているからです。

そこで広島大学大学院医系科学研究科・細胞分子生物学研究室に所属する田原栄俊教授ら研究チームは、悪性胸膜中皮腫の特効薬を開発しました。

すでにマウスでの効果が認められており、9月からヒトでの治験が開始されます。

研究の詳細は、7月27日付で広島大学のプレスリリースに掲載されました。

【研究成果】アスベスト(石綿)のがんの特効薬・核酸医薬の開発に成功〜ヒトでの臨床試験(医師主導治験)を2021年9月に開始〜〜新規創薬ベンチャー株式会社PURMX Therapeutics設立して実施〜 https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/65836

アスベストによる悪性胸膜中皮腫

悪性胸膜中皮腫の発症と予後
悪性胸膜中皮腫の発症と予後 / Credit:田原栄俊(広島大学)_アスベスト(石綿)のがんの特効薬・核酸医薬の開発に成功〜ヒトでの臨床試験(医師主導治験)を2021年9月に開始〜〜新規創薬ベンチャー株式会社PURMX Therapeutics設立して実施〜(2021)

悪性胸膜中皮腫とは、の外側にある胸膜で発生する難治性のがんであり、増殖して胸膜全体に広がります。

発症すると胸腔(きょうくう)と呼ばれる場所に水がたまるため、苦しい場合には水を抜く処置をしなければなりません。

また悪性胸膜中皮腫の治療法は、「外科的に胸膜に張り付いた腫瘍を剥がす」というもので、術後も激しい痛みが伴います

抗がん剤療法、免疫療法などもありますが、現段階では十分な延命効果が得られていません。

さらに罹患後の平均余命は1年半以内であり、非常に予後の悪いがんとして知られています。

2018年の時点で全世界の罹患者数が3万433人、死亡者数が2万5576人ですが、今後も年間3000人以上の発症が予測されます。

そして2039年までの累計死亡者数は10万人と予測されているのです。

このように悪性胸膜中皮腫は非常に恐ろしいがんであり、画期的な治療薬開発が求められてきました。

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