医療が進んでも停滞していた止血技術をフジツボが切り開く
医療の進歩により、数多くの病気を素早く治せるようになってきました。
しかし止血技術だけは停滞したままでした。
現在使われている止血剤は血液が固まる速度を速めるための成分が含まれていますが、基本となる血液凝固は非常に穏やかなプロセスです。
そのためいくら早めたところで、動脈から噴き出るような、激しい出血に対しては無力でした。
そこで近年になって、傷口を強力な接着能力を備えたシールで防ぐ試みが行われるようになってきました。
ただ既存の接着剤の多くは水分に弱く、血にさらされることで接着能力が失われてしまいます。
接着剤にオムツなどに使われる吸水素材を混ぜるなど、水気の影響を抑える工夫がなされてきましたが、根本的な解決には至っていません。
しかし自然界には、水気をものともせず強力な接着を可能にする生物が存在しました。
その生物とは、誰もが良く知るフジツボです。