意見が分かれる射精と前立腺がんの関連性
2016年の研究結果によって、射精の効果性が示されたように思えます。
しかし全体としては、研究者の間でも意見が分かれています。
例えば、2003年のオーストラリア・がん疫学センター(Cancer Epidemiology Centre)の研究では、若いころに頻繁に射精していた男性は、大人になってからがんのリスクが減少すると言われています。
しかし2004年に発表されたアメリカ国立がん研究所(NCI)の研究では、射精と前立腺がんに関連性はないとの結果が出ました。
さらに2008年に発表されたイギリス・ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の研究では、マスターベーションを頻繁に行うと前立腺がんのリスクが上昇するとの結果が出ています。
こうした矛盾に対し、南アフリカの泌尿器科専門家オディオン・エア博士は次のように述べています。
「矛盾した研究はほかにもあります。しかしそれら研究者のほとんどは、射精が前立腺がんの低リスク群の発生率を減少させることに同意しています」
いずれにせよ、射精と前立腺がんの関連性についてはまだ不明な点が多く、さらなる研究に期待したいところです。
さて、射精の重要性はまだはっきりと分かっていませんが、定期検査の重要性は揺らいでいません。
前立腺がんは早期発見によって治療が容易になります。
すべての男性は定期的に前立腺がん検査を受けるべきなのです。