端数価格にはデメリットがある
端数価格にはデメリットがある / Credit:Depositphotos
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端数価格の心理トリック「イチキュッパ」にはデメリットがあった (2/3)

2021.08.28 Saturday

前ページ端数価格のデメリット

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コーヒーのビッグサイズは購入させるには、スモールサイズを端数価格にすべきではない

コーヒーが端数価格で販売されると、アップグレード版はあまり購入されなかった
コーヒーが端数価格で販売されると、アップグレード版はあまり購入されなかった / Credit:Depositphotos

ここでは、1つの実験をご紹介します。

オハイオ州立大学のキャンパス内にコーヒースタンドが2日間設置され、価格が定期的に変更されました。

価格は次の2パターンです。

  • ①スモールサイズ:0.95ドル、ラージサイズ:1.20ドル
  • ②スモールサイズ:1.00ドル、ラージサイズ:1.25ドル

①と②は1時間ごとに交互に変更され、それぞれラージサイズが購入された割合と全体の売り上げを比較しました。

その結果、①の価格設定では客の29%がラージサイズを購入しましたが、②の価格設定では、56%がラージサイズを購入

これにより全体の売り上げも②の方が高くなりました。

端数価格にしない方がアップグレード商品の購入率が増加し、結果として売り上げの増加につながったのです。

ちなみに同様の効果は、その他の実験や、複数のアップグレードオプションがある「大きな買い物」でも発揮されたとのこと。

では、端数価格にしないことでアップグレード商品が購入されやすくなるのは、なぜでしょうか?

次ページ端数価格が「アップグレード商品をより高い」と思わせる

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