端数価格が「アップグレード商品をより高い」と思わせる
端数価格がアップグレード商品の購入を妨げるのは、「アップグレード商品をより高く感じさせるから」とのこと。
元値が9800円の場合、1万2000円のアップグレード商品を購入するには、「1万円の境界線」を超えなければいけません。
この「しきい」がアップグレード商品をより高く、遠いものに思わせるのです。
研究チームは、「州の境界を超えると目的地がより遠くに感じられる、という研究結果があります」と述べており、旅行などの他の分野でも同様の効果が見られると指摘。
確かに私たちも、実際の距離は変わらないとしても、県内よりも県外に出かける方が遠く、ハードルが高いように感じますね。
とはいえ、今回の効果が発生しないケースもあります。
例えば、高価な商品が対象の場合、小さな価格差では効果が薄いようです。
また「普段から頻繁にホテルを利用するする人」など、特定のサービスや商品に慣れ親しんでいる人には、効果がありません。
価格に精通している人は感覚に頼らないため、影響を受けることがないのです。
さて、今回の結果はアップグレード商品を扱う販売者にとって非常に有用な情報となるでしょう。
そして消費者にとっては、「値札を見たときの感覚に騙されないように」という注意喚起となりました。