足にファンを付けてバランス能力を向上させた「Jet-HR1」
2018年、同研究チームは、足にファンを取り付けた「Jet-HR1」を発表しました。
二足歩行ロボットの弱点はそのバランス能力にあります。
なぜなら移動するためには片方の足を上げなければならず、その間、もう片方の足だけでバランスを取る必要があるからです。
特に大きな歩幅が要求される「幅広い溝」「大きな段差」などに直面すると、転倒のリスクが非常に高くなります。
そこでチームは、2本の足にファンを1つずつ装着することで、安定性を向上させることにしました。
その結果、ファンの推力によって、動画にあるような幅広い溝を難なくまたげるようになっています。
これは二足歩行ロボットにおける画期的なアイデアであり、実用性・応用性ともに高いことから、続く研究報告に期待が高まっていました。
そして2021年8月、チームは後継機である「Jet-HR2」を発表。
研究チームが力を傾けたのは、「歩行」の分野ではなく、二足歩行ロボットに「空を飛ばせる」ことでした。