6カ月の瞑想でストレスホルモンが25%減少
本研究では、227名の健康な成人男女を対象に、瞑想トレーニングが長期的なストレス負荷にどう影響するかを調査しました。
生理的なストレス負荷の指標として、毛髪に含まれるコルチゾール(ストレスホルモン)とコルチゾン(コルチゾールの代謝物)を用いています。
それぞれの被験者は1日30分、週6日の瞑想を行い、これを9カ月にわたり継続してもらいました。
被験者のコルチゾール・コルチゾンのレベルは、3カ月ごとに調べられています。
その結果、トレーニング開始から6カ月の時点で、被験者の毛髪に含まれるコルチゾールの量が大幅に減少。平均して25%も減っていたのです。
最初の3カ月ですでに減少傾向が見られましたが、次の3カ月で急激に効果が増大し、最後の3カ月はコルチゾール・コルチゾンともに低濃度のレベルを留めていました。
その一方で、被験者による主観的な自己申告では、「ストレスレベルが明確に緩和した」とは感じられていなかったようです。
それでも研究チームは、一般に推奨されている8週間以上の瞑想トレーニングは、生理的なストレスレベルの緩和に大きな効果がある、と結論付けます。
主著者の一人、ララ・プールマン氏は、こう述べています。
「うつ病をはじめ、世界には長期的なストレス負荷が直接または間接的に関与している病気がたくさんあります。
そのため、私たちは日頃から、慢性的なストレスの影響を予防的に打ち消す努力をしなければなりません。
本調査は、生理学的な指標をもとに、瞑想トレーニングが、心身ともに健康な人であっても潜在的なストレスレベルを緩和できることを証明した貴重な研究です」
ここでは1日30分という長い瞑想を行っていますが、そんなに時間を取らなくても十分な効果は得られます。
朝の起床時やお昼休憩の10〜15分を瞑想に当ててみると良いかもしれません。