科学者の予想よりもずっと深かった木星の大赤斑
木星は長く人類に観測されてきていますが、巨大なガス惑星である木星は分厚い雲に覆われていてい、その雲の下がどのようになっているかは詳しくわかっていません。
特徴的な縞模様は、猛烈な嵐によって運ばれる雲であり、その表面に浮かぶ大赤斑と呼ばれる赤い斑点も、数百年以上続いている嵐の渦です。
写真で見た場合、スケール感がよくわかりませんが、大赤斑は地球の2.5倍ものサイズであることがわかっています。
しかし、それは2次平面的に見た面積においての話です。
この分厚い雲の下で、この巨大な大赤斑の嵐がどのくらいの深さまで続いているのかはわかっていませんでした。
しかし、新たな研究は、大赤斑の深さが雲頂から500kmも広がっていることを明らかにしたのです。
500kmという高さは、即座にピンとは来ない距離ですが、現在さまざまな宇宙研究の拠点となっている国際宇宙ステーション(ISS)が浮かぶ高度は、地上から約300~400kmです。
つまり大赤斑はISSが浮かぶ位置より、さらに大きく広がった構造を持つ嵐だったということが明らかになったのです。
では、これまで見ることのできなかった木星の雲の下に広がる、このような事実は一体どうやって明らかにされたのでしょうか?