世界最大のアンモナイト
アンモナイトは、現在のオウムガイの仲間とされる巨大な殻を持った軟体動物です。
ヤドカリのように貝殻に住み着いているわけではなく、カタツムリのように殻自体も自分の体の一部です。
アンモナイトの殻の成長は黄金率に従っている、なんて話も有名です。
すでに絶滅した生物でありながら、誰もが知っている知名度からも分かる通り、アンモナイトはかつて世界中の海に存在したほど、非常に成功した生物の1つでした。
そんなアンモナイトの中でも、異彩を放つ特殊な種類がいます。
それが白亜紀後期に登場した、恐ろしく巨大化した種類の「パラプゾシア(Parapuzosia)」です。
最初の化石は1895年に、ドイツのゼッペンラーデで発見され古生物学者ヘルマン・ランドイス(Hermann Landois)によって「パラプゾシア・セッペラデンシス(Parapuzosia seppenradensis)」と名付けられました。
このとき見つかった化石標本は、殻が完全なものではありませんでしたが直径は1.8mに達していました。
そのため、学者たちはもしパラプゾシアが完全な状態であったならその大きさは直径2.55m~3.5mに達する可能性があると推定したのです。
重量は全体で1455kgあったと推定され、これは史上もっとも大きくて重い軟体動物です。
ただ、これまでこのパラプゾシアがいつ頃から巨大化し始めたのか? なぜそんなに巨大化したのか? については標本の少なさもあってよくわかっていませんでした。
なぜ、彼らはそんにも巨大化したのでしょうか?