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Credit:Canva
physics

統一理論完成か?重力と電磁気力を統合できる理論が発表された

2025.04.18 17:00:52 Friday

アインシュタインが残した最大の宿題――重力と電磁気という“二大法則”を一本の数式で説明しようとする挑戦に、ついに決定打になり得る理論が発表されました。

フィンランドと豪州の研究者チームが発表した新理論は、電場や磁場を「時空の外付けシステム」ではなく「宇宙布に浮かぶシワそのもの」と見立て、余剰次元も謎の力も持ち込まずに両者を統合します。

ベッドシーツをピンと張ればシワが消えるように、時空のメッシュが最小エネルギー状態を探すと、そこに自然と電磁場の法則が立ち上がるのです。

この理論が正しければ、ブラックホールの縁や量子の揺らぎまで同じ物差しで測れる日が来るかもしれません。

果たして物理学の教科書は今、書き換えの瞬間を迎えようとしているのでしょうか。

研究内容の詳細は『Journal of Physics: Conference Series』にて発表されました。

Electromagnetism as a purely geometric theory http://dx.doi.org/10.1088/1742-6596/2987/1/012001

余剰次元なしの統合宣言

余剰次元なしの統合宣言
余剰次元なしの統合宣言 / Credit:Canva

重力という言葉を耳にしたとき、多くの人が思い浮かべるのは「トランポリンの真ん中に重いボウリング球を置くと、布がへこみ、その近くに転がしたビー玉が自然に球へ向かって滑り落ちる」というおなじみの図解でしょう。

アインシュタインの一般相対性理論が教えてくれるのは、まさにこのイメージです。

質量やエネルギーをもつ天体は“時空”という布を押し曲げ、周囲の物体はそのたるんだ“くぼみ”に沿って動くだけ――これが惑星の軌道や潮汐といった現象の直感的な説明になります。

一方、電磁気について私たちはどうでしょうか。

高校物理で学ぶ頃から、空間には電場と磁場という二種類の矢印がびっしり描かれ、それらが時間とともに入り乱れて電磁波を形づくる……という絵を当たり前のように受け取ってきました。

しかし今回の論文はそこを真正面から挑戦し、「電場や磁場も本質的には“時空のシワ”として理解できるかもしれない」と提案します。

鍵になるのは「重力と電磁気ではシワの向きが違う」という発想です。

トランポリンのたわみは布が垂直方向に沈む縦シワで、ゆるやかな谷を作ります。

これが重力に相当します。

対照的に、電磁気は布の横方向、つまり織り目そのものがわずかに伸びたり縮んだりする“横シワ”と見立てられます。

目に見える大きなくぼみはないものの、布目の張りが場所によって微妙に違っていれば、そこを転がるビー玉(=電荷)は速度や進路を変えざるを得ません。

これが電場・磁場に相当するというわけです。

この見方の利点は、余剰の次元や未知の粒子といった難しい概念を加える必要がなく、「時空のシワをできるだけ減らす」というルールで話が済むことです。

そこで研究者たちは「時空のシワだけから電磁気の方程式を導き切れるか」を使って精密に検証することにしました。

次ページ電磁気は「時空のそのもののシワ」だった

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