侵略者ウシガエルと消えた在来カメ

ブチイシガメは、カリフォルニア州からワシントン州にかけて生息する、アメリカ西海岸唯一の在来淡水カメです。
しかし、ここ数十年でその個体数は激減しました。
その原因の一つとされているのが、外来種ウシガエルです。
ウシガエルは20世紀初頭に食用目的でアメリカ西部へ導入されました。
ヨセミテ国立公園では1950年代から導入され、1970年代には完全に定着。
強靭な肉体と驚異的な繁殖力によって、生態系を激しくかき乱してきました。
とくに問題なのが、その食欲です。

ウシガエルは口に入るものなら、昆虫、魚、小鳥、ネズミ、そしてブチイシガメの子ガメまで何でも食べます。
彼らは獲物を簡単に丸呑みしてしまうのです。
実際、研究者たちは捕獲したウシガエルの胃の中から、6匹の子ガメを発見しています。
そこで今回の研究では、ウシガエルの影響を評価するために、4つの調査地点が選ばれました。
2つはウシガエルが存在する池、残りの2つは存在しない池です。
そして2016年から2022年までの間、研究チームは罠や網、ライトトラップ、手捕りなどを駆使して、2つの池から合計1万6384匹のウシガエルを捕獲・駆除しました。
さらに、ブチイシガメについても継続的にモニタリングを実施。
甲羅の長さや体重、年齢、捕獲数、出現密度などを丹念に記録し続けました。
では、このような徹底的な駆除と調査の結果、どんなことが分かったのでしょうか。