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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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地上を「15時間も旅する魚」を発見!空中での呼吸法が予想のナナメ上すぎた

2024.12.24 12:00:27 Tuesday

水の世界を飛び出せる魚がいるようです。

カリブ海に浮かぶトリニダード島で最近、地上を15時間も長距離移動できる淡水魚が発見されたことがわかりました。

この発見は、動画配信サービスApple TV+の新シリーズとしてスタートした「The Secret Lives Of Animals(動物たちの秘密の生活)」の中で撮影されたものです。

しかし魚が地上で生きながらえるには呼吸をしなければなりません。

一体この魚はどうやって酸素を取り込んでいるのでしょうか?

「The Secret Lives Of Animals」の公式トレーラーはこちらです。(音量に注意して、ご視聴ください)ご注意ください。

Tail-Breathing Killifish Can Travel 6,000 Times Their Body Length On Land https://www.iflscience.com/tail-breathing-killifish-can-travel-6000-times-their-body-length-on-land-77201

地上を15時間も移動できる魚

本シリーズのプロデューサーであるケヴィン・フラワーズ(Kevin Flowers)氏は、西インド諸島大学(UWI)の生物学者であるエイミー・ディーコン(Amy Deacon)氏に協力を依頼して、トリニダード島での調査遠征を行いました。

その中で、私たちの常識ではあり得ない驚くべき光景が目撃されます。

なんと水中にいるはずの魚が、地上の湿った枯れ木や岩場の上を飛び跳ねながら移動していたのです。

ディーコン氏によると、この魚は小川などに生息する「キリフィッシュ(killifish)」という小型の淡水魚の一種だといいます。

一見すると、魚が地上に飛び出すなんて自殺行為にしか思えません。

地上では呼吸のためのエラが機能せず、空気中に放り出されると、ほとんどの魚はわずか数分で命の危機に陥るからです。

ところがこの魚は何食わぬ顔で地上に居座り、尻尾で地面を蹴り上げてジャンプしながら移動していました。

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キリフィッシュが飛んで移動する様子/ Credit: IFLScience(youtube, 2024)

動画内ではこの魚の正式な学名までは言及されていませんが、トリニダード島に分布するキリフィッシュとしては「マングローブ・キリフィッシュ(学名:Mangrove rivulus)」が知られています。

実際、マングローブ・キリフィッシュはこれまでの研究で、水中から飛び出して最大66日間を地上で過ごしたとの記録が報告されていました。

なので動画内で説明されている魚も、マングローブ・キリフィッシュだと思われます。

この魚は体長3センチ前後であり、ジャンプの際には自分のサイズの8倍の高さまで跳ね上がることが可能です。

また今回撮影された魚は自らの全長の約6000倍もの距離を移動し、15時間も地上に留まり続けていました。

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マングローブ・キリフィッシュ/ Credit: en.wikipedia

移動の目的は、新たな本拠地を探すためです。

この魚は基本的には同じ淡水域で一生を過ごすのですが、資源をめぐる競争が激化したり、危険な天敵がやってきたりすると、地上に飛び出て、安全な淡水域を新たに探しに行くといいます。

しかし最も気になる点は「この魚がどうやって地上で呼吸をしているのか」ということでしょう。

その驚くべき秘密についてディーコン氏が教えてくれました。

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