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ウシガエルの徹底駆除で在来カメが復活 / Credit:UC Davis
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「1万6000匹のウシガエル」駆除作戦の結末は?在来カメが復活 (2/2)

2025.06.20 06:30:01 Friday

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1万6000匹のウシガエルを駆除した結果、在来種の子ガメを確認

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ウシガエルが生息する池では子カメがいないと判明 / Credit:UC Davis

調査の中で、ウシガエルが残っていた池に生息するブチイシガメは、すべて年老いた大型個体だけでした。

つまり、子ガメが育っていないのです。

これは、ウシガエルの捕食によって若い個体が淘汰されていたことを意味しています。

一方、ウシガエルのいない池では、ブチイシガメの約35%が子ガメや若年個体でした。

個体数もウシガエルのいる場所より2倍〜100倍も多く、ブチイシガメの個体数の減少は、やはりウシガエルの存在が原因だと推測できます。

そして決定的な変化が訪れたのが、2019年以降です。

この年までにウシガエルの駆除がほぼ完了したことで、ウシガエルがいた池でも初めて子ガメの自然出現が確認されました。

つまり、駆除からわずか3年で在来カメが復活したのです。

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ウシガエルの徹底駆除により、ブチイシガメが復活 / Credit:UC Davis

ブチイシガメは成長が遅く、産卵数も少なく、しかも寿命が長いため、個体群が一度崩れると回復には非常に時間がかかることで知られています。

それだけに、この「子ガメの復活」は、地道な駆除と保護の努力が報われた瞬間と言えるでしょう。

研究者たちは今後も調査を続け、他の保護地域や再定着プロジェクトへの応用も視野に入れています。

ただし、駆除は手間もコストも大きく、すべての地域で実施するのは非現実的です。

そのため、ウシガエルの再侵入リスクの低い保護優先区域を選定することが重要でしょう。

今後は粘り強さと共に効率的な対策が必要なのです。

今回の取り組みによって、2つの池で、またカメの甲羅が陽にきらめく日々が戻ってきました。

1万6000匹のガマの声を抑えることで、生き物たちの静かな復活の声が、今、響き始めています。

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「1万6000匹のウシガエル」駆除作戦の結末は?在来カメが復活 (2/2)のコメント

ブチーさん

ブチイシガメって名前がいいな

ゲスト

ウシガエルさん悪者になってしもうた。

ゲスト

亀がもっと増えるといいですね。

ゲスト

逆に増えすぎてブチイシガメ駆除っていう流れにならなきゃいいけど

小渕

ウシガエルいらん。

ゲスト

このウシガエルってのはYouTuberが食って美味しいと言ってた。
国内だと何処のレストランに行ったら食えますか?

オジン

日本でもウシガエルによる在来固有種の魚や甲殻類や昆虫の食害による個体数の減少が起きています。ヨセミテ公園における駆除研究とその成果は日本研究者にも伝わっているでしょう。私は研究者ではありませんが別の視点で駆除したウシガエルをどうしたのかが気になりました。日本には古来から自然から頂くものに感謝する食文化があり其れは食事の際の挨拶として現代日本人にも無意識に息づいています。「頂きます。」で始め「ご馳走様でした。」で終わる食文化です。其れに今はどうだか私は居酒屋に行かないので不明ですがかつての居酒屋では蛙は鶏肉の代用食として蛙の下半身をから揚げとして食べていました。キャンパーやレンジャーや兵隊さんなら美国の方もご存知かもしれません。蛇同様蛙は鶏肉に似た味で結構な非常食でした。研究者の方たちは駆除した蛙をどう廃棄したのか是非再度掲載報告してくださると世界中で猛威を振るうウシガエルの食害を自然界のバランスに戻す事が早まる可能性が高まる気がします。宜しくお願いします。

あいう

自分たちも外来種なのに

    ゲスト

    史前外来種まで槍玉に挙げてたらキリないわ

ゲスト

50年以上かけて生存競争に打ち勝ってきたウシガエル達をわずか1年半で殲滅させる人類ってエゴの塊だよね

ゲスト

ブチイシガメ自体一回の産卵数少ないし、個体数回復までどれだけ時間がかかることやら……

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