職場ストレスが原因とは限らない?定説への疑問

「燃え尽き症候群」と聞けば、多くの人が原因として思い浮かべるのは、長時間労働や過度な業務、理不尽な上司や人間関係といった職場のストレスです。
実際、世界保健機関(WHO)もバーンアウトを「適切に対処されない慢性的な職場ストレスによって生じる症状」と定義しています。
しかし今回、ノルウェー科学技術大学を中心とした研究チームが、ノルウェー国内の労働者813人を対象に実施した調査では、バーンアウトの自覚症状がある人のうち、「仕事が主な原因」と考えていたのはわずか27.7%だったのです。
しかもこれは一時的な現象ではなく、スイスやアメリカでも似たような傾向が報告されており、「仕事が主因ではないバーンアウト」が世界的に見られる現象であることがわかってきました。
研究では、バーンアウトと並行して「心理的苦痛」や「疲弊感」の症状も調査されましたが、これらも原因を仕事に求める人は3割未満にとどまっており、多くの人は“なんとなく辛い”状態の原因を、職場以外に感じているようです。